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説明書は読みましょう
ちょっとしたミスでBIOSを壊してしまいました。たまたま所持していたマザーボードが同じROMを使っていたため修復しようと考えた、バカな私の苦労の始まりです。

復活か二台ともサヨナラか?
いよいよ作業開始!失敗すれば2台とも使い物にならなくなるという危ない橋を渡り始めた。本当に復活できるのでしょうか?

GA-8IDXHの完全復活
取り外したROMを元に戻す作業。難しい作業は続きます。BIOS画面が出るまでドキドキの連続です。


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DUALBIOSは大丈夫? 2002年4月7日 更新

 ここで取り上げることは通常の場合あり得ないことです。ただ、BIOSのアップデート作業は充分な注意が必要であり、BIOSのアップデートに失敗するとパソコンが起動しなくなるのは事実です。
 そんなことを言っている私が、そのBIOSアップデートに失敗してしまったのです。原因は不注意に間違いありません。これを見て失敗したらこうなるんだなぁと笑ってやってください。実際にあなたがこの状態になったら素直に修理に出しましょう。では、そのときの苦悩を…。

 DUAL BIOSで有名なGIGABYTE製マザーボードのGA-8IDXH。BIOSアップデートに失敗してもBIOSを2つ搭載しているので、もう一つの正常なROMが自動的にBIOSを修復してくれるのが一つのウリです。
  と、ところが、DUAL BIOS製品を買ったにもかかわらず、BIOSのアップデートのやり方が悪く起動不能になっていました。Windowsからアップデートできる@BIOSを使ったのですが、何度やってもエラーになり書き込みできなかったのです。
 (後になって考えてみれば、ROMへの書き込みが失敗したので一度ソフトを起動し直したときにBIOSが切り替わったのだと思います。さらに切り替わったことに気がつかず書き込みに失敗したために起動不能になったのでしょう。書き込みに失敗した理由はいまだに不明です。確かめるのが怖いですからね。)

 仕方なく、いつものようにDOSからアップデートしようと再起動したら…、それっきり起動しなかったのです。どうやらメインとバックアップの両方に書き込んでしまったようです。DUALだから安心!と、よくマニュアルを読まないで作業したのが間違いでした。今まで一度も失敗したことが無かったので、ちょっとショックです。

 修理しようと値段を聞いたら、なんと5000円というじゃありませんか!だったら自分で直してしまおうというので、手持ちのマザーを見たらCUSL2が全く同じROMを使っていることがわかりました。これなら修復できそうです。
  ただ、慌てて作業して失敗しないようにしないと、二つともお亡くなりに…何てこともありえます。
ゆっくり腰を据えて作業することにします。既にROMのデータシートは手に入れているのですよ。ふっふっ。久しぶりに半田ヤニの焼ける匂いを…。(しかし、復旧には大変な道のりが待っていました。)

 拡大写真

 左がGIGABYTE製GA-8IDXH、右がASUSTek製CUSL2-WOA。


まずは準備から  

 「ICソケットがあればもっと楽じゃん!」と思いつき、探しまくったけれど、どこにも売っていないです。ROMもあったらついでに買おうと思いましたが、それも見つからないようです。探し方が悪いのかもしれませんが、最近は電子部品なんか買う人はあまりいませんね。昔もメジャーだったわけでもないんですが…。
 かなり困難な作業になりそうな予感です。 いろいろ調べているうちに使用されているROMはFWHという比較的新しい技術でデザインされていることがわかりました。マニュアルは全て英語で書かれているため、英語が苦手な私にはかなりつらい状況です。
 マニュアルはインテルのホームページで手に入ります。チップセットの型番で探すといいでしょう。ROMの方はSSTのホームページで手に入ります。


早速作業…と、その前に!  

 早速作業を始めたいところですが、CUSL2で8IDXHのBIOSが書き込めるのか確かめておかないといけません。いくら同じROMを使っているからといっても、書き込めるかどうかわかりませんからね。
  今度はDOSから立ち上げて今まで通りの方法を使って書き込みます。すると…画面のように書き込みが進み、無事に完了しました。このROMがのどから手が出るほど欲しい8IDXHのBIOSが入っているのですよ。しかし、ここは我慢して終了します。もとのBIOSを書き込んで…再起動。無事立ち上がりました。

 さて、どうしましょうか。悩みます。FWHという技術は詳しいことがわからないのです。複数のROMを認識してくれるようなのですが、DOSのFlashソフトで起動していない方のROMに書き込めるのかわかりません。それが可能ならば、CUSL2のROMの上に8IDXHのROMを配線して同じように書き込めばいいと思うのです。しかし、起動時のROMに書き込むようになっているようなので、どうやらこの方法では出来そうにありません。
  そうなると、電源が生きた状態で切り替えるか、今やったように8IDXHのBIOSを書き込んで、
ROMを取り外して8IDXHを回復した後にバックアップROMにコピー。もう一度CUSL2のROMにCUSL2のBIOSを書き込んで取り外し、もともとあったROMを取り付けて起動すれば8IDXHは復活。CUSL2にROMを戻すと作業終了…なのですが、リスクが大きいですね。

 拡大写真

 CUSL2でのDOS画面。8IDXHのBIOSは書き込めるが…。


まずいです  

 どんな方法を使ったとしても、まずは8IDXHのROMを取り外すしかありません。はんだごてを握るのは久しぶりなので心配です。とにかく、コテを暖めるとしますか…。

 ということでROMを取り外しましたが、完全に失敗してしまいました。写真ではうまく取れているかのように見えますが、向こう側のパターン以外は剥がれてしまいました。自分でも信じられないです。しばらく半田ごてを使っていないので、ウデがなまってしまったようです。以前は簡単に取り外していたんですけどねぇ。これではCUSL2のROMを外す自信が無くなってしまいました。

 拡大写真

 ROMの取り外しに失敗したGA-8IDXH。


回路の解析  

 二つのROMがあるということは、ROMをコンピュータが見分けるために回路の一部が異なるということです。たいていの場合はピンの1本だけが違うことが多いので、それを探し出せばいいわけです。
 CUSL2のROMに8IDXHのROMを乗せて上下同じピンを接続し、8IDXHで接続の異なるピンと同じCUSL2のピンを切断して上下で切り替えるようにすれば、CUSL2のROMを取り外すことなく書き込みが出来るはずです。
  解析しておけばROMを元に戻すときにも役に立ちますからね。基盤にワイヤーを確実に半田付けできるポイントを探す必要があるからです。切れてしまったパターンに配線するのはあまりに細すぎて不可能ですから…。基盤のパターンを剥がしてしまった以上こうするしかありません。

 拡大写真

 データシートやDiMAGE7で撮った超近接写真(写真右)、ルーペ、テスタ、スタンドなど、すごいことになっています。とにかく配線パターンは細いので解析は大変な作業です。


解析完了  

 接続の解析が出来ました。予想通り1本だけメインとバックアップROMの接続が異なりました。この回路を参考にCUSL2に8IDXHのROMを接続します。しかし、予想ではIDの配線が異なるのだと思っていました。どうやら、起動時にIDがセットされるのではないかと思います。通電時に電気的な方法でROMを切り替えるのは難しいみたいです。実は接続の違うピンはソフトウエアリセットのピンなんです。もし、ROMのうえにROMを乗せるような方法でする場合、CUSL2の*WPのピンをカットしてVSSへ接続して、書き込みできないようにしておいた方が良さそうです。しかし…。

 拡大図

 ほとんどはバックアップROMに接続すればいいようです。


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